いつもは人見知りが激しいという優衣の言葉は完全にウソだと思う。笑
どっちがいい?
冗談を言い合いながら選んだホテルで優衣の好きな部屋を選んで入室した。
鍵をかけ、靴を脱ごうとしている彼女をそっと抱きしめる。
僕は優衣の背が壁に着くように立たせて強引に唇を奪った。
ギュッと抱き合い、甘美な時間を堪能してからスリッパに履き替え、ベッドのある部屋に移動した。
優衣が脱いだ上着を受け取ってハンガーに掛けたら、部屋の照明を落とす。
そして、ソファに座っていた優衣の横に僕も腰かけた。
言われるままに僕のことを見つめてくれた瞳は、少し潤んだ様子でトロンとしていた。
優衣の手が僕の肩に置かれたのを合図に、僕たちは再び唇を重ねた。
優しく抱きしめて頭をそっと撫でてあげると、優衣も僕の体にしがみつくように抱きついてくる。
唇から力を抜いて柔らかくした状態で何度も優しく唇を重ねた。
なんかきもちいい…
この時点ではまだ、唇と唇がわずかに触れ合うだけのバードキス。
紙一重の接触が彼女の感度を高めていく。
僕はキスをするときには「紙一重の接触」を大切にしている。
試しに、あなたも自分の指を「触れるか触れないか」という強さで唇に這わせてみて欲しい。
どうだろう?
くすぐったくて、ムズムズする感覚があるのではないだろうか。
その感覚がセックス中に「触れられる」という感覚だ。
次に僕がしかけたのは触れないキス。
触れるか触れないかのギリギリのところで、唇を触れさせずに焦らす。
焦らした後にはおあずけした快感以上の快感を。
焦らした分、余計に感じやすくなった優衣の上唇を、唇で軽く挟む。
あくまでもソフトに。
次に下唇にも、上唇と同じように軽く唇を合わせた。
早くもっと濃密なキスがしたくてウズウズしている優衣の吐息に甘い声が混じりはじめる。
一度唇を離して見つめ合う。
優衣の唇を丁寧になぞるように舐めてから、唇を割って舌を押し入れた。
舌を入れてからも、いきなり舌同士を激しく絡ませるのではなく、まずは舌先でチロチロとやりとりをするような感覚で舐めていった。
口の中で、舐められて気持ちいい場所は「上あご」「歯茎」「舌の裏側」「唇の両端」の4ヶ所だ。
それぞれに適した攻め方で丁寧にディープキスを楽しむ。
ゆっくりと、上あごに舌全体を這わせたら、舌をとがらせて、小刻みにチロチロと動かしていく。
上下の歯茎を順番にチロチロと舐め、歯茎の裏側にも舌を這わせていく。
優衣が差し出してきた舌に僕も舌を絡める。
強弱と緩急に気をつけ、キスだけでイカせるような気持ちでキスを続けていく。
彼女の息遣いがどんどん荒くなり、同時に目つきがトロンととろけていく。
少し唇を離して、僕たちはじっと見つめ合った。